金券類・チケットショップ業界レポートポイント
- 顧客が買いに来るのを待っているのでは遅い、積極的な売り込みを行いよりタイムリーな情報提供を心がける。
- 関連企業などとのタイアップ・キャンペーンなどを通して積極的に顧客にアピールしていく
- 実店舗での開業は、ターミナル駅周辺など立地条件が非常に重要となる
- 開業自体は簡単な部類に入る、インターネットショップなどによる開業であれば自宅でもできる
業界 詳細レポート
金券類を扱う場合、鑑定に特別な技術が必要となるわけでもなく、売り場のスペースも1坪もあれば問題もない開業しやすい業種の1つと言えるだろう。インターネットショップなどであれば、自宅での開業も可能だ。
金券類の販売価格はその金券の98%〜99%がほぼ大半を占め、買取の価格はその金券の94%〜96%程度が一般的となっており利幅が1%〜3%程度と少ない。そして、一回の来店で顧客が使う金額は98%が1万円以内となっている。まさに薄利多売の商売と言える。
そうなると当然大量の仕入れが必要となってくるが、ここ数年各種チケットの電子化や、インターネットオークションの登場により仕入れが困難となっている。このため販売する価格帯での差別化は難しいのが現状で、金券以外の文房具や列車・船・航空チケットのキャンセル待ちや予約のサービスなど顧客の利便性を考慮したサービスを展開し差別化を図る店舗が増えている。また、これ以外にも金やプラチナといった貴金属を買い取る店舗や、ドルやユーロなどの外貨を買い取る事業体も登場している。
また、他の業種でもいえることだが盗品や偽造製品が持ち込まれることを防止することが重要であるため「日本チケット商協同組合(JTA)」などに加盟し警察・会員同士の連絡網を持つことも重要だ。
店舗の立地条件が売り上げを大きく左右するのもこの業種の特徴と言っていい。顧客の多くが買ったチケットを手に駅構内に流れていく。インターネットショップなどを利用し、全国の顧客を相手に事業を行っている場合を除き、駅ターミナル周辺以外の場所での事業展開は苦戦を強いられるようだ。
需要の高まる時期は「連休前」「ボーナス時の金券の買いだめ」「お歳暮時期・お中元時期」「決算期前後」となっている。
金券ショップの利用率は各年齢を見ても概ね30%前後と高い、チケット・金券ショップの利用動向を調査したアンケートによれば、利用頻度がもっと多い層は40代の男性で全体の49%を占めている。
しかし、「利用したことはあるが今は利用していない」という率がどの年代でも30%前後となっており、リピート率が低いことがうかがえる。
継続して利用するリピーターの確保が成功のカギとなるのかもしれない。